最後の手段・・・自己破産

自己破産とは、裁判所を通じて借金を0にするという手続きをすることです。
自己破産と聞くと世間ではあまりいいものではないと思われていますが、実はそれほどのデメリットがあるわけではありません。

借金地獄になり、返済のための生活になっているようであれば自己破産を利用したほうがいいでしょう。
自己破産と聞くと後ろめたさを感じてしまうかもしれませんが、国が用意した人生をやり直すための法律です。

自己破産件数の推移

バブル崩壊から毎年増加傾向でしたが、2003年をピークに減少傾向にはなっております。
減少傾向になるのは喜ばしいことではありますが、豊かな社会になったわけではありません。

ではなぜ、減少傾向にあるかというと、過払い請求の件数が増加したことが考えられます。
過払い請求によって、借金が片付き自己破産まで行わなくても解決した人が増えたのでしょう。
また自己破産検討中の人が、実際に弁護士に相談してみて、自己破産よりもデメリットの少ない過払い請求を打診されたということもあると思います。

近年で見れば減少傾向であることは、それは喜ばしいことではあるのですが、根本的な原因である景気は回復していませんので、減少傾向は一時的でしょう。
過払い請求に関しては、最近ではキャッシング会社も金利を下げるなどの対応をしていますので、今後は過払い請求は減少傾向になっていくことが予測されます。
ですので再び、自己破産件数は増加傾向になってしまうと思われます。

自己破産のメリット

<借金が全てなくなる>
借金が1000万であろうと、1億であろうと、負債額に制限はありません。

<取立てが止まる>
「借金が0になる」ということなので当然取立ては止まります。
キャッシング会社から今まで酷い取立てをされていたとしても、取立ては止まります。
キャッシング会社は何か用があれば委任した弁護士と話し合うことになります。
弁護士への委任後に、債務者への取立てを行うことは法律で禁じられています。

自己破産のデメリット

<持家や車など財産を失う>
家、車、貴金属、証券類、金券などの財産は失いますが、全てを失うわけではありません。
生活が出来るだけの最低限の財産(炊飯器、エアコン、テレビなど)は保証されます。
また、手持ちのお金に関しても全て失う訳ではなく、最大99万円までは手元に残していいことになっています。
(自己破産をする際に手元にそんなに残っていないと思いますが・・・。)

<資格によっては失うものもある>
弁護士など資格が必要な職業の場合、資格を失うことによって仕事を続けれなくなってしまいます。

<手続きが完了するまでは、転居や長期の旅行に行くには裁判所の許可が必要>
引越しなどをする場合でも、許可が必要になります。(不可という意味ではありません。)
手続きをスムーズに進めるためです。

<ブラックリストに登録される>
ブラックリストに載ってしまうと、自己破産の場合だと約7~10年くらいは金融機関からお金を借りれなくなります。

<保証人に迷惑を掛ける>
キャッシングの場合だと保証人無しの契約が多いのですが、もし契約内容が保証人付きの契約になっていれば、保証人には迷惑を掛けることになってしまいます。
自己破産をすると借金の請求は保証人へと行きます。

手続きを行うには

通常は、弁護士や司法書士といった専門家に依頼します。
費用は事務所によって差はありますが、相場だと大体20~50万くらいになります。
弁護士よりかは、司法書士のほうが若干安いようです。

弁護士費用を支払うことができない場合は、法律扶助という制度を利用する方法があります。
法律扶助とは、弁護士費用などを立て替えてくれる制度のことです。
原則として、月額5,000円~10,000万円の返済が必要になりますが、これは今までの返済額と比べると随分ラクになる金額だと思います。

自己破産は手続きから確定するまで3ヶ月~半年ほど掛かります。
(結構、長いのです・・・。)

あと注意点としては、自己破産手続き中は返済は行わないでください。
一部のキャッシング会社だけに返済すると「免責不許可事由」に該当し、自己破産の免責許可の決定が受けられない場合があります。

自己破産を行うための条件

自己破産は借金を全て帳消しに出来るというメリットはありますが、誰でも行えるわけではなく、ある条件を満たす必要があります。
また条件に満たなくても、場合によっては「全額免責」ではなく「一部免責」になるケースもあります。

一部免責とは「借金を全額0にするのではなく、一部は返済しましょう」ということです。
借金が300万円あったとすると、「30万円は返済しましょう」ということです。

この「一部免責」については、具体的な減額率などは決まっておらず、借金の金額や理由など色々な事情から判断されます。
では以下に自己破産を行うための条件をまとめておきます。

<返済不能な状態であること>
お金を持っているのに、または返済していける能力はあるのに、自己破産を利用して借金を帳消しにしようと思っても出来ません。
頑張っても返済していけない状態である必要があります。
借入額や毎月の返済利息と収入のバランス、また毎月に必要な生活費などから返済不能な状態であるかどうかが判断されます。
生活費に関しては、家族が多い場合や生活保護を受けている場合などは、そういった事情も考慮されます。

<借金の理由>
ギャンブルや浪費が借金の理由であれば自己破産は出来ない場合もあります。
※事情によって異なる

<過去7年以内に自己破産を利用した場合>
自己破産は個人を守る法律ではあるのですが、その代わりにキャッシング会社には犠牲になってもらう法律です。
そう何度も頻繁に認められる法律ではありません。
※事情によって異なる

<不正目的でないこと>
自己破産は借金を帳消しに出来る法律ですが、それを逆手に不正を目的とした自己破産は認められません。
自己破産をする予定であるにも関わらず色んなキャッシング会社からお金を借りて一度も返済せずに自己破産を行う、また自己破産の手続きに嘘を記載する、財産をごまかす、などといった行為は認められません。
場合によっては詐欺罪に当たる可能性もあります。

他の法律も検討してみてください

自己破産は失うものも多いので最後の手段として捉えてください。
車を失う、資格を失う、というのは職業によっては仕事を続けれなくなってしまうこともあります。
車が費用な個人タクシードライバーや、弁護士資格が必要な弁護士などはこれらを失ってしまうと仕事が続けれなくなってしまいます。

家を持っている場合は、せっかく購入した家を失ってしまいます。
また、地域によっては車無しでは生活に不便が出てくるところもあるでしょう。

そんな場合は、財産や資格は守られる個人再生を検討してみてください。
自己破産と違い抱えている借金が全て無くなる訳ではありませんが、それでも借金は大幅に減額され、また財産や資格は守られます。

債務者を救う法律は、自己破産や個人再生だけではなく、任意整理、過払い請求、生活保護など法律は多々あります。
場合によっては自己破産ではなく、もっとデメリットの少ない法律を利用したほうがいい場合もあるでしょう。

弁護士に相談してみることで、何か解決の糸口が見つかることもあるでしょう。
早期改善を目指して、まずは弁護士と相談してみることをオススメします。
後になればなるほど、傷口は広がってしまいます。